家をさわる〜思わぬ良きことに
2013年3月〜5月〜6月



      今、住んでいる家は建てて30年が経過している。
     住み始めから20年間ぐらいは、5年ごとのチェックをしつつ、何かあれば、手を加えていた。
     両方の親3人、娘1人、我々2人の6人だったのが、10年20年も経つとメンバーも減り
     今では、夫婦2人だけになった。
     オーディオ機器に占拠された客間と寝室、リビングの3部屋あれば
     毎日の生活は、事足りていた。
     そのため、空いた部屋は今や、物置となっている。



     今年の秋には、夫の母の25回忌の法事を控えている。
     気持ちよく来てもらうために、室内の壁の塗り替え、天井の張り替えを思い立った。
     業者といろいろ話をするうち、外壁・屋上の防水の話になり、10年が寿命だという。
     前回の防水から、優に10年は超えている。
     今は、大丈夫でも、突然の雨漏りということもあるそうな。
     話がだんだん大そうになってきた。  
     が、この機を逃して、突然、もっと大ごとになるのもな〜と思い、頼むことにした。


     3月下旬から、足場が組まれた。これだけでも1週間かかっている。
     屋上のごみを捨てる前に、係りの人から
     ” この際、水以外、何でも出してください。捨てますから。 ”と、うれしい申し出を受けた。
     いまだに、整理しきれていない母の部屋の色々、捨てきれないでたまった衣類・不用品。
     約一週間、毎日毎日、夜中までまとめに、まとめた。
     大物の箪笥、冷蔵庫、洗濯機、本棚、飾り棚、ミシンまで、処分してもらった。
     ” 断捨離 ”なんて本まで買って、読んではみたが、なかなか、実行に移せなかった。
     何年もの間、うじうじ・ズルズル過ごしてきたのが、うそみたい。
     でも、その代償に、強い腰痛に悩まされ、新たに、膝も痛むようになった。


     5月中旬、足場・テントが外されると、ぱ〜っと鮮やかに視界が開け
     気分まで、明るく軽やかになった。
     また、1週間後から、室内の塗り替えが始まる。
     壁際を空けておくように、言われている。腰痛の軽くなる日が又、遠のいた。
     ガランと空いた母の部屋に立ち、今の母のホームの生活を思う時
     人間、最終ラウンドでは、如何程の物が要ろうか?
     数枚の肌着とその上に着るもの。それだけで十分。
     これを機に、さらに本気で、物減らしをめざそうと思う。