有料老人ホーム
2013年5月





     今年の連休は、家の手入れで足場があり
     防犯上、家を空ける旅行などプランしていなかった。
     そこに、若いときからの夫婦ともども付き合いのある友達から、電話が入った。
     有料老人ホームに入ったので、遊びに来てほしいと。
     海と町が一望できる山の手のホームへ、夫と二人で出かけた。


 ホームの入口に
咲き乱れる花々



     お二人とも、我々より少し上で、子供さんがいない。
     地方都市に、以前からの代々住んでおられた家もあるので
     親戚の人に墓守を頼み、ここのホームをセカンドハウス的に使う予定だという。
     それでも、歳をとるにつれ、介護が必要になれば
     このホームは介護施設も併設しているので、移動できるらしい。


フリードリンクコーナー・トレイニングマシーン・図書室
そのほか、大浴場・美容室におけいこ部屋あり 




     テレビなどで見ていた有料老人ホームと同じような施設だが
     実際に行ってみると、まるでリゾートマンションという感じ。
     天井の高いレストランの別室で、お昼をご馳走になった。
     一皿一皿が目にも舌にも、上等な料理屋のそれを思わせる。


     建物の隣りに大きな病院もあり、最終の住処としては何の不安もなさそう。
     問題は、その費用。
     入居一時金や毎月の費用は、誰でも入れる金額ではない。
     もしこの会社が倒産したらと、恐ろしい思いに駆られ
     入居を思いとどまるよう、何度か電話したように思う。
     それがここにきて、そんなことは頭から吹っ飛んで
     むしろ、このホームに入った友達が、とても、うらやましく思えた。


     しかし、5年先、10年先を思うと、考えてしまう。
     手厚い看護も、私なら、それを感じ取れる頭が残っているかどうか・・・。
     彼女らが、このホームに来るときは、せいぜい寄せていただき
     緑に囲まれた、いい空気の中で、おしゃべりに花を咲かせたい。