日本人の伝統的な食文化

2013年11月








   平成24年3月、政府は 「和食;日本人の伝統的な食文化」 と題して
   ユネスコへ無形文化遺産の登録申請を行った。
   その可否が、平成25年12月に決定される予定という。

  農林水産省が提唱している内容

  @ 多様で新鮮な食材と素材の味わいを活用
  A 「うま味」を上手に使って、バランスよく健康的な食生活
  B 花や葉で料理を飾り、季節を感じる器に盛って自然の美しさを表現
  C 伝統行事(各節句などの)に、食の時間を共にし、家族・地域の絆を深める


   伝統的な食文化と銘打つには、今の世の中の食生活の有りようは
   かなり、かけ離れているように思う。
   ひょっとして、この伝統的な和食とは、高級料亭の料理をさしているのか。


   思うに、20〜30年前までの一般家庭では、見栄えはともかく
   バランスのとれた食事をしていたのではないだろうか。
   又、味というのは、そこの主婦の舌にすべてが、かかっている。
   その主婦が育った環境、又、その前の代から思えば
   これがその家の伝統の味であり、おばあちゃんの味、母親の味でもある。
   多くの家庭が、その味を受け継いでいくところに、日本人の伝統的な
   食の文化を、見ることができるのではないか。


   それがどこで方向転換したのやら、世の中は、手軽・時短の料理が主流になった。
   でも、出汁がインスタントでは、味もうすっぺらになるような気がする。
   こういう私はいまだに、昆布とかつおのだしを取っているし、娘も同様である。
   孫たちが小さい時、家にやってきて、 ”おかあさんのご飯が一番おいしい”
   と言った時、娘がまじめに母親業をやっているなと、うれしく思えた。
   私は最近、忙しい日が多いので、だしをいつも冷蔵庫にストックし
   帰る早々、着替えをしながら、火口三つをフル回転して、何とかやっている。