我々の子供時代の給食は、本当に貧相なものであった。
   今は驚くほどおいしそうで、栄養の点も栄養士により管理されている。
   ただ、子供たちは、これがどのようにして作られるかを知らない。
   実際に、生の材料から味付けに至るまで、目と舌で体験できるような授業があればいいなと思う。
   ついでに言うなら、たまには母親についていって、いつも切り身で食べている魚が
   どんな顔・形をしているのか、野菜やその葉はどんな姿・形かを知るのもいいと思う。
   子供時代に、体によく、口にもおいしい食生活に慣れ親しむ。
   このことが、いっとき、脂肪の多い、甘辛い味付けがあっても
   又、昔ながらの、素朴な飽きのこない家庭料理を、思い出させてくれると思う。



   食文化と言えば、和食を取り巻く様々な要素が考えられる。
   料理そのもの、器、食事にまつわる作法、まだまだありそうだが・・・。
   その料理について言えば、料理屋だけが担える和食ではなく
   一般家庭が平生食べている食事にこそ
    ”日本人の” という冠をかぶせられることができるように思う。
   農林水産省は、理想を掲げるだけでなく、その実現のために、子供時代からの食育を
   もっと、具体的な指針で示してほしいものである。