奈 良 行き
2008年5月
5/5(日) 朝、遅めに家を出、約1時間で近鉄奈良駅着
タクシーで薬師寺へ。 あいにく、日光・月光菩薩は東京の展覧会に
出ていて、薬師如来像のみ。ユーモアをまじえての説法をありがたく聞く。
本堂の両側に二つの三重の塔があり、災害と兵火を免れた東の塔は
1000年以上の時を経て、今も重々しく、どっしりとして美しい。
なんだかあわてた、異様な人々の動きに気がついた。
何も知らずについていくと【玄奘三蔵会大祭】(げんじょうさんぞうえたいさい)
の法要があるという。
西遊記でよく知られる"玄奘三蔵法師"がこの" 法相宗"の始祖で
その大本山が薬師寺であると。
薬師寺には、かって、西院伽藍があり、弥勒浄土の画像を中心に
三蔵法師の肖像画も、祀られていた。
玄奘三蔵院建立を機に、翌、平成4年より法要が復興し
毎年、5月5日の夜6時から、この伽藍一面に置かれた灯篭に
火が灯され、万燈供養会が行われる。(薬師寺公式サイト)
又、この寺は平山郁夫のシルクロードを描いた壁画が有名。
夫はまだ、一度も見たことがないというので、私も再び見ることにした。
寺を出る頃には、ちょうどいい時間になり、今日泊まりの春日奥山・月日亭へ。
海外にばかり向いていた眼が、今頃になって
古きよき時代の趣きを伝える名旅館に向いています。
京の柊家で、味わった温かなもてなしの心が、ここ月日亭にも生きていました。
サービス満点の都会派のホテルより、又違った、より高い満足感があったのです。
それってどこから来ているのかしら?
とても親切なんだけど、どこか、マニュアルっぽさが見え隠れするホテル。
それにひきかえ、名旅館と名のつくところは、やさしい雰囲気にあふれている。
そこの住み人になって "ただいま〜"と帰ってきたような気分になる。
時には、ピピーと鳴く鳥の声以外、何も聞こえず。
この辺り、世界遺産に指定され、自然保護が行き届いている。
たまにムササビがとぶので、びっくりされないようにと言われた。
どこでもよく似た八寸 | 季節を先取りした 鱧の焼き物 |
奈良名物の茶粥の朝食 | 建てた当時のままの ガラス戸 |
丸窓を開けて 朝の空気を吸い込む |
ガラス戸が 開けられないので 木のてっぺんが見えない |
木の根元は光が当たらず 苔むしている |
こんな上まで 苔が生えている |
いかにも、日本情緒 | 宿のそば タクシーを止めてくれて 鹿の親子をパチリ |
近鉄奈良駅から車でたった5分のロケーションとは、とても思えない。
春日山の中腹、原始林に囲まれた敷地に、八つの離れが点在している。
明治35年、奈良県知事が要人をもてなす迎賓館として建てられたにしては
簡素で気の張らない造りである。
時代を経て、今、近鉄が経営し、所有は奈良県、土地は国と複雑である。
不安定なこの時代だけれど、長く〜、続いてほしいものである。
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