翌日、タクシーでほんの近くの大仏殿を訪れた。
昔は、5月の連休には、車があふれて、渋滞に泣かされたけれど
近年は、人出が少なくなり、さっぱりですわとは運転手の弁。
どこに行っても、景気のいい話などないみたい。
大仏さんもそこそこにして、すぐ近くの春日大社の藤が見ごろと聞き、行くことにした。
参拝者に安らぎを与える神様のお庭という意味の[神苑]へ。
入り口近くの荷茶屋(にないじゃや)で一休みをかねて、腹ごしらえ。
[神苑]は、昭和7年、佐々木信綱をはじめ、多くの人々の協力により
最も古い約300種の万葉植物を植栽する植物園として、開園された。
この神苑内、南端に約200本の藤を有する[藤の園]がある。
藤といえば、棚から垂れ下がる藤色の花房というイメージしかなかった。
歩を運ぶうち、白(白野田藤)、ピンク(本紅藤)、濃紫(黒龍藤)、薄紫と色も、姿も、さまざま。
棚造りのほか、一本の立ち木造り、砂ずりの藤(地面に着くぐらい、花房が長い)
さらに、つる性なので、大木にまつわりつき、天高く、咲き誇る姿も珍しかった。
足も腰も相当疲れていたけれど、春日大社抜きでは、帰れない。
本殿までの長かったこと! 人並みのお参りをした後
人の混まないうちにと、近鉄奈良駅に向かった。
始めは、[ならまち]を散策する予定が、全く別のところになったけれど
それはそれで、満足できた。
月日亭に登ってくるとき、両側に新緑のかえでのトンネルが続き、
これが秋になれば又、すばらしい景色になるだろう、ぜひ見てみたいものと
月日亭を出るとき、秋の予約も入れて、帰ってきました。